ジムでよく見かける「ケツ上げベンチプレス」と呼ばれるやり方。賛否両論があり、否定する人も多いですが、好んでこのやり方で行う人も多いです。
そんなケツ上げベンチプレスですが、結論から言わせてもらうと「大会に出るわけでないのならケツ上げでも全然あり」です。
しかし、ケツ上げベンチプレスにはメリットだけではなく、大きなデメリットもあるので、しっかりと理解した上で行うようにしましょう!
どうしてケツ上げは否定されているのか?
ケツ上げが否定されている理由は明確です。
- 可動域が短くなるから
- 怪我のリスクが高まるから
- ベンチプレス競技の公式ルールで禁止されているから
以上の3点から、お尻を浮かせるとインチキ呼ばわりされてしまうことが多いです。
たしかにズルいと言えばズルいので、否定されても仕方がないとは思いますが、別に絶対悪というわけでもありません。
スクワットのしゃがみが浅いだとか、デッドリフトがパーシャルだとか、色々インチキ呼ばわりされるやり方がありますが、筋トレは自己満の世界なので自分の好きにして全然問題ありません!
ただし、ケツ上げなどのちょっとズルいやり方で扱えた重量で、正しいフォームの人の重量と比べてマウントをとることはやめておくことをおすすめします。どちらもいい思いはしません。
ケツ上げのデメリット
ケツ上げをするしないは各々の勝手ですが、やるからにはデメリットをしっかり理解した上で行いましょう。重量はアップしますが、もちろんリスクもあるので注意が必要です。
ケツ上げのデメリットは以下の4点です。
- 腰への負担が大きくなる
- 全体的に怪我のリスクが高まる
- 筋肥大効果の減少
- 高重量を扱えてもイメージが悪い
腰への負担が大きくなる
お尻を浮かせてしまうと腰が反りやすくなってしまうため、腰の負担が大きくなり、怪我のリスクが高まってしまいます。少しくらいならそこまで変わりませんが、大きくお尻を浮かせてしまうとかなり腰へ負担がかかります…
そもそも脚の力をしっかりとベンチプレスで使いたい場合、お尻を浮かせるような向き(上方向)へ力を入れるのは間違いです。ほとんどの人がケツあげをする際にこの力の入れ方をしています。
脚の力(レッグドライブ)をしっかりと使いたいのなら、「頭方向へ身体がスライドしていく」ような力の入れ方が必要だということを覚えておきましょう!
この意識を取り入れてケツ上げができればマジで最強です!
全体的に怪我のリスクが高まる
怪我のリスクが高まるのは腰だけではありません。
本来自分の身体では扱えないような高重量でトレーニングをすることになるため、肩も肘も手首も怪我をするリスクが高まります。
筋肥大効果の減少
ケツ上げをすると通常よりも可動域が短くなってしまうため、筋肥大効果が減少してしまいます。
筋肥大はトレーニングボリューム(トレーニングで与えた負荷の合計)で効果が決まると言われていますが、回数と重量だけでなく可動域もこのボリュームには関係しています。
高重量を扱えてもイメージが悪い
残念ながら「ケツ上げはせこい」と考えている人はかなり多いです。
ケツ上げでベンチプレスをしている人のSNSのコメント欄を見てみると、かなりアンチコメントが多い印象があります。
ケツ上げでも圧倒的な高重量を扱えていれば話は変わるかもしれませんが、少なくとも常人レベルではただイメージが悪いだけになってしまうかもしれません…
ケツ上げのメリット
デメリットでケツ上げの印象をかなり悪くしてしまいましたが、ケツ上げも悪いところばかりではありません。リスクはありますがメリットもあるため、私もたまにケツ上げでベンチプレスをすることがあります!
ケツ上げのメリットは以下の2点です。
- 高重量に慣れることができる
- 脚の力を使う感覚を掴みやすい
高重量に慣れることができる
先ほどのデメリットでは「高重量すぎて怪我のリスクが高まる」と説明しましたが、もちろんリスクはありますがその分高重量を扱うことで神経系の強化をすることもできます!
ベンチプレスの重量を伸ばす要因は筋肉量だけではありません。「神経系の強化」といって身体に重さを慣れさせていくことで重量を伸ばすこともできます。
通常のやり方でも高重量低回数でセットを組めば神経系を鍛えることはできますが、ケツ上げだと通常のやり方よりも高重量が扱えるため、効率的に神経系を強化できます。
神経疲労については【原因と対処法】ベンチプレスが急に上がらなくなった…神経系の疲労かも?!にて詳細に解説しています。
脚の力を使う感覚を掴みやすい
デメリットの方でも脚の力の使い方について解説しましたが、お尻を浮かせると脚で踏ん張る意識が強くなるのでレッグドライブの感覚を掴みやすくなります。
正直レッグドライブを習得するのはかなり難易度が高く、そもそも脚の力をベンチプレスに活かすという感覚自体がわからないことが多いです。
そのため、意図的にお尻を浮かせて脚で踏ん張る意識でレッグドライブの練習をすると感覚を掴みやすくなります!
メインではなく補助として取り入れるのがおすすめ
ケツ上げベンチプレスは肯定も否定も各々の自由なので、今回紹介したメリットとデメリットを考慮した上で、自らの意思でやるかやらないかを選択しましょう。
大会に出場するわけではないのならケツあげもいいとは思いますが、1番は「ケツ上げベンチプレスをMAX重量として扱うのではなく、あくまでも通常のフォームでMAX重量を伸ばしていくための補助種目のような感覚でたまに取り入れる」のがおすすめです。
当ブログでは、他にもベンチプレスの重量を伸ばすために役立つ記事を無料で公開しています。
もっとベンチプレスの重量を伸ばしたい方は【100kg完全攻略】ベンチプレス100kgのすごさ、上げる方法を徹底解説!にて重量を伸ばす方法をまとめているのでぜひ御覧ください!