このように意気込む方もいますが、残念ながら、ベンチプレスを強化するのに腕立て伏せは向いていません。
トレーニングを始めたばかりで本当に筋力が弱い場合は、腕立て伏せだけでも重量が伸びることがありますが、ほとんどの場合は難しいです。
そんなわけで今回は、なぜ同じ胸の種目なのに、腕立て伏せではベンチプレスを強化できないのか、他にもベンチプレスを強化するための方法について解説していきます!
腕立て伏せがベンチプレス強化に向かない理由
そもそもの動作が異なる
なぜ、同じ胸の種目なのにベンチプレスの強化として腕立て伏せが向いていないのか?
それは腕立て伏せとベンチプレスは別物だからです。
〈腕立て伏せとベンチプレス〉
- 腕立て伏せはうつ伏せの状態で自体重の半分くらいの負荷で行う
- ベンチプレスは仰向けの状態で重りを使いより大きな負荷で行う
他のスポーツを例に出すと、素人目から見るとバドミントンとテニスも同じような動きに見えますよね。
実際、球技未経験の人がテニスをやるよりも、バドミントンをやっていた人がテニスをする方がある程度の感覚は掴めているため上手いでしょう。
ですが、「テニスを強くするためにバドミントンの練習をする」だと話は変わってきます。
ベンチプレスも同じことで、何もしていない人よりは腕立て伏せをやっていた人の方がベンチプレスは有利になりますが、いくら腕立て伏せをやったところで、ベンチプレスは「トレーニング初心者よりは少しだけ強い」程度のレベルにしかならないということです。
※腕立て伏せをめちゃくちゃ極めているような人であれば、稀にベンチプレスも強いこともあります(常人レベルを超越しているような人)
今紹介したものはトレーニングの3原理5原則に含まれる「特異性の原則」というもので、トレーニングの基本なので覚えておきましょう↓
筋肉は、その動きの速さや動かした角度、力発揮の仕方など実際にトレーニングした様式に合わせて特異的に成長する。
引用:Wikipedia
圧倒的な負荷の差
腕立て伏せがベンチプレス強化に向かない理由は、負荷が軽すぎることにもあります。
自重トレーニングでは負荷を増やすのに限界があり、自分の体重以上は負荷を増やすことができず、更に腕立て伏せでは体重が全て負荷になっているわけでもありません。
腕立て伏せの負荷をベンチプレスの負荷に換算すると、自分の体重の半分以下の負荷となり、体重60kgの人がベンチプレス30kg以下でセットを組んでいるのと同じ負荷になります。
また、ベンチプレスではバーベル(重り)のバランスをとるのにも大きく力を使うため、その点を腕立て伏せで鍛えるのは難しいです。
目的によって使い分ける
腕立て伏せは、ベンチプレス強化のためにやるのは効率が悪いというだけで、トレーニングとしては非常に優秀な種目です。
腕立て伏せの利点
健康維持やスポーツ系の動ける身体作りには、腕立て伏せの方が向いています。
どこでも簡単にできるのもあり、継続がしやすいのと、腕立て伏せの方がより日常動作に近いという点は、ベンチプレスよりも優れています。
ベンチプレスでは、体幹がベンチ台に固定されていますが、腕立て伏せでは体幹がフリーなため、日常で使われる体幹も鍛えることができます。
また、筋肉量が増えすぎると不利になってしまうようなスポーツでは、筋肉量を増やしすぎずにある程度鍛えられる腕立て伏せの方が適していることがあります。
ベンチプレスの利点
ベンチプレスでは、腕立て伏せよりも高重量を扱うことができるため、筋肉量を増やしたり筋力を上げるのに非常に効果的です。
また、ただ単に高重量を扱えるだけでなく、成長すれば重量を増やして負荷を大きくしていくことも可能なので、筋トレとしては腕立て伏せよりもベンチプレスの方が優れています。
先ほども紹介したトレーニングの原理原則の中には「漸進性過負荷の原則」というものもあり、負荷を増やしていかなければ筋肉は成長しないというものがあります↓
10kgのダンベルを連続して最大10回上げ下げできる人が12kgのダンベルで継続的にトレーニングをしていると、やがて10kgを10回を超えて上げ下げできるようになる。また、筋量や筋力を発達させ続けるためには一定期間ごとに扱う重さを漸増させる必要がある。
引用:Wikipedia
腕立て伏せでは回数を増やすことで負荷を増やすことはできますが、回数が増えすぎると持久系のトレーニングになってしまうため、筋肉量や筋力向上には向いていません。
よって筋肉量・筋力を向上させるには重さで負荷を増やせるベンチプレスが適しています!
ベンチプレスを強くする方法
ベンチプレス強化には以下の3点が重要です。
- 正しいフォームの習得
- 高頻度のベンチプレス練習
- 高重量低回数セット
正しいフォームの習得
正しいフォームを習得できると、トレーニングにおいて最も意識するべきな怪我の予防はもちろん、力を伝える効率が段違いに良くなるため重量を伸ばすことにも繋がります。
また、重量が伸びればトレーニングボリューム(トレーニングで受けた負荷の合計)も上がるので、結果的に筋肥大効果の向上も期待できます!
基本中の基本のフォームですが、最も重要なことなので、小手先の技や意識をする前に、まずはフォームについてしっかりと学びましょう。
フォームについては下記の【初心者必見】ベンチプレスのフォームの基本を解説!にて詳細に解説しているので参考にしてください!
高頻度のベンチプレス練習
高頻度でベンチプレスの練習を行うことで、一つ前に解説したフォームの習得をより効率的に行うことができます。
週1回程度の練習ではせっかく良い感覚を得ることができたとしても、次回の練習時にはかなり感覚を忘れてしまいます。
これを避けるためにも、2日に1回はベンチプレスの練習をするのが望ましいです。
高重量低回数セット
ベンチプレスは筋肉量とフォームだけではなく、神経系を強化することでも重量を伸ばすことが可能です。
この神経系を強化するためにも高重量を扱い、身体に重さを慣れさせていきましょう。
よく言われる「10回のセット」は、筋肉を大きくするのには有効ですが、重量を伸ばすことにはあまり適していないため、3〜5回できる重さでセットを組むことをおすすめします。
ただし、慣れていない状態でいきなり高重量を扱うのは危険なので、まずは5回のセットで行い、慣れてきたら3回のセットと徐々に重量を足していきましょう。
おわりに
ベンチプレスの重量を伸ばしたいのなら、弱点強化や身体の土台作りとして他の種目を取り入れるのもありですが、あくまでも補助として、メインはベンチプレスを行いましょう。
当然といえば当然のことですが、これはかなり重要です。
もちろん他の種目も大切ですが、本来の目的を見失わないようにトレーニングに励みましょう!
当ブログでは他にもベンチプレスの重量を伸ばすのに役立つ記事を無料で公開しています。
ベンチプレスを強化するために必要なことについてはこちらの【100kg完全攻略】ベンチプレス100kgのすごさ、上げる方法を徹底解説!でまとめているのでぜひご覧ください!